(1) コードについて
ドイツの CGコードの特徴は、マネジメント・ボード(Vorstand)とスーパーバイザリー・ボ ード(Aufsichtsrats)の二層構造であり、スーパーバイザリー・ボードの一定人員(2 分の1 または 3 分の1)は従業員代表から構成されなければならないとされている。
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« Rapport 2014 de l’AMF sur le gouvernement d’entreprise et la rémunération des dirigeants » (Septembre 2014)
28
Haut Comité de Gouvernement D’Entreprise, « 1
ere
Partie: Rapport 2014 – Rapport d’activité » (Octobre 2014)
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PwCFrance,Paris 作成資料に基づく。
ドイツの CGコードには、「コンプライ・オア・エクスプレイン」対象となる「勧告
(recommendations)」と、実施(コンプライ)していなくても説明の開示が要求されない「提 案(suggestions)」がある。 提案(suggestions)については、任意で実施状況を開示して いる会社もあるが、強制はされていない。
ドイツ株式法(AktG)セクション 161 は、上場企業のスーパーバイザリー・ボードおよび マネジメント・ボードが、毎年ドイツのCGコード委員会の勧告(recommendations)を実施 してきたかどうか、もし、実施していない場合はどの勧告(recommendations)を実施して いないかの宣誓(declaration)をすることを上場会社に要求している。当該宣誓書には株 主が永久にアクセス可能でなければならないとされているため、企業のウェブサイト上で は年次報告書とは別に過去分も含めて CG 宣誓書が、すべて掲載されている。(本報告 書の【参考資料】3.の開示例を参照)
一方、ドイツ商法(HGB)では、セクション289aにより EU 規制市場で株式が取引され る株式会社および一定の要件を満たす EU 規制市場で株式以外の証券が取引される 会社は、状況報告書(またはグループ状況報告書)の中の独立したセクションとして CG 宣誓書を含めることが求められる。 また、HGB のセクション 289a は、当該 CG 宣誓書を 会社のウェブサイト上で開示する公開方法も認めており、その場合は、状況報告書(また はグループ状況報告書)上は該当するウェブサイトを参照することで足りる。フランクフル ト証券取引所のDAX および MDAX各社のCG宣誓書が掲載されたウェブサイトへのリ ンクは、ドイツ・コーポレートガバナンス政府委員会のウェブサイト
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にも掲載されている。
なお、HGBセクション 289a で要求される CG報告には、AktG のセクション 161 に基づく CG宣誓書に加えて、コーポレートガバナンス実務の説明、マネジメント・ボードおよびス ーパーバイザリー・ボードならびに各委員会の構成とそれぞれがどのように業務を遂行し ているかの説明を含む。
今回の調査は、2014 年 10 月上旬に、直近の年次 CG 宣誓書にもとづくヒアリングを 実施したものである。 この年次 CG宣誓書の日付は、必ずしも会計年度末である必要 はなく、12 月決算の企業は、毎年12 月中旬の日付で宣誓書を公表することが多いとい う。
年次 CG宣誓書は、直前の宣誓書日付以降の期間について、当該期間中に有効で あった CG コードに基づき宣誓をすることが求められる。 ドイツでは毎年CG コードの見
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http://www.dcgk.de/en/declarations-of-conformity.html
直しが行われ、最近では2014 年 6 月 24 日改訂版
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が公表されているが、今回の調査 では、各社は主に 2013 年 5 月 13 日改訂 CG コード
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に基づき回答をしている。
CGコードの改訂サイクル、年次報告書の対象期間(会計期間)、CG 宣誓書日付がそ れぞれ異なる場合には CG コードの適用は複雑なものとなる。例えば、ドイツ銀行(決算 日は 12 月 31 日)の 2014 年 10 月 29 日付 CG 宣誓書では次のような開示をしている。
(同行による例外事項の詳細説明は以下の抜粋では省略している。)
前回の CG宣誓書日付が 2013 年 10 月 29 日であること
当社は、2013年10月29日以降継続して 2013年5月13日改訂(2013年6月 10 日連邦官報にて公布)の CGコードを一部の例外を除き実施してきたこと
2014年6月24日付でCGコードが改訂され 2014年9月30日に連邦官報にて 公布されたこと
この改訂 CG コード(新 CG コード)の変更箇所は、付録の明確化のみでありコード 本文の勧告または提案に変更がないこと
当社は、2014年9月30日以降、当CG宣誓書の日付(2014年10月29日)まで の期間、一部の例外を除き、新CG コードをすべて実施していること
(出所:ドイツ銀行2013 年 12 月期年次報告書)
仮に、同行が、2014 年 12 月期の年次報告書を 2015 年 3 月頃に公表する際には、
2014 年 10 月 29 日付のCG宣誓書(年次報告書日付で調整した旨の但し書き付)がそ の中に含まれることになる。
(2) コードの適用対象会社
コードは、主に、ドイツにおけるEU 規制市場で証券が取引されている株式会社等
(AktG セクション 161(1)による)を対象としているが、それ以外の会社(「資本市場に焦点 を当てていない会社」と表現される)も当該コードを尊重することが期待されている(2013 年 5 月 13 日改訂 CGコードの「1.序文」より)。
(3) コーポレートガバナンスに関する開示とアシュアランス
CG報告書が状況報告書(またはグループ状況報告書)に含めて開示される場合は、
状況報告書(またはグループ状況報告書)の一部として監査対象となり、「財務諸表(ま たは連結財務諸表)との整合性および全体として会社(グループ)の財政状態に関する
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2014 年 9 月 30日に連邦官報にて公布
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2013 年 6 月 10日に連邦官報にて公布
適切な見解(suitableview)を提供し、将来の発展に関する機会とリスクを適切に描写
(suitablypresent)している」との意見表明がなされる。
(4) 調査対象会社(12 社)
会社名(注)、業種 属性/市場区分
1 匿名 大規模企業、プライムスタンダード
2 匿名 大規模企業、プライムスタンダード
3 匿名 大規模企業、プライムスタンダード
4 匿名 大規模企業、プライムスタンダード
5 匿名 大規模企業、プライムスタンダード
6 匿名 大規模企業、プライムスタンダード
7 匿名 大規模企業、プライムスタンダード
8 匿名 大規模企業、プライムスタンダード
9 KSB Aktiengesellschaft、機械 中 小 規 模 企 業 、 ジ ェ ネ ラ ル ス タ ン ダ ー ド
( 開 示 例 に つ い て は 本 報 告 書 【 参 考 資 料】4.を参照)
10 SMASolarTechnologyAG、機 械
中小規模企業、プライムスタンダード 11 BauerAG、機械 中小規模企業、プライムスタンダード
12 匿名 中小規模企業、ジェネラルスタンダード
(注):上記匿名企業の業種は、銀行、保険会社、その他製造業(化学、医薬品、機械、
電気機器、情報・通信業、小売業)に属する。
(5) 調査結果
〈質問項目 1-a: コードの中で実施(コンプライ)している項目〉
ドイツ CGコード(2013 年 5 月 13 日改訂)の構成は以下の通りである。
1. 序文
2. 株主及び株主総会
3. マネジメント・ボードとスーパーバイザリー・ボードの協力 4. マネジメント・ボード
5. スーパーバイザリー・ボード 6. 透明性
7. 年次財務諸表の提出及び監査
調査対象 12 社のうち、CG コードの勧告(recommendations)の一部を実施していない 会社は 7 社であった。 そのうち 1 項目について実施していない会社は 1 社(中小規 模)、2 項目について実施していない会社は1 社(大規模)、3 項目以上について実施し ていない会社が 5 社(大規模会社2 社、中小規模会社3 社)であった。
CG コードの すべての 勧告( recommendations)に ついて実施している 。(大規模会 社 5 社)
CGコードの一部の勧告(recommendations)または提案(suggestions)について実施 していない。(7 社、うち大規模会社3 社、中小規模会社 4 社)
CG コードの提案( suggestions)については、実施状況の開示が要求されていない ため、回答を差し控える。(6 社、うち大規模会社 3 社、中小規模会社 3 社)
〈質問項目 1-b: コードを実施(コンプライ)する上での困難について〉
主な意見は以下の通りであり、主に報酬開示に関する困難を指摘する意見が多かっ た(6 社)。
ボ ー ド メ ン バ ー の 報 酬 開 示 に 関 す る 規 定 が 詳 細 す ぎ る 、 も し く は 複 雑 す ぎ る 。 ( 6 社、うち大規模会社5 社、中小規模会社 1 社)
コードの実施(コンプライ)のみが良好なコーポレートガバナンスであり、実施しない 勧告に対する説明は不可、という誤解が一部にある。(大規模会社 2 社)
コードの文言が曖昧で異なる解釈の余地があり、適用が困難である。(大規模会社 2 社)
スーパーバイザリ ー・ボードの メンバー要件を満たす候補者の 選任が 困難であ る 。
(2 社)
スーパーバイザリー・ボードの メンバー構成(年齢、性別、国際的多様性(ダイバー シティ)、財務の専門性等)は複数名の創業者がスーパーバイザリー・ボード・メンバ ーである当社にとっては実施(コンプライ)が困難である。(中小規模会社 1 社)
ス ー パ ー バ イ ザ リ ー ・ ボ ー ド の メ ン バ ー 要 件 ( 男 女 の 比 率 、 独 立 性 、 利 益 相 反 等 ) は、業種特有の専門性を有するメンバー候補者の範囲を狭めることになり実施(コン プライ)が困難となる。(大規模会社 1 社)
〈質問項目 1-c: 株主等からのプレッシャーの有無〉
主な意見は以下の通り。議決権行使アドバイザーからのプレッシャーを感じている会 社が5 社と多い。
特段のプレッシャーを株主からは感じていない。(大規模会社 2 社、中小規模会社 3 社)
議決権行使アドバイザーがガバナンスに関する開示に注目しているというプレッシャ ーを感じる。(大規模会社 5 社)
具体的項目については次の通り。
・スーパーバイザリー・ボードの独立メンバー人数に注目している。
(大規模会社 4 社)
・スーパーバイザリー・ボード・メンバーの他社との兼務(オーバーボーディング)に 批判的であるが、この点についてコードでは詳細に対応されていない。
(大規模会社 1 社)
・スーパーバイザリー・ボード・メンバーの在任期間に対する関心が高い。
(大規模会社 1 社)
・議決権行使アドバイザーが独自のチェックリストと定義に従って行動するが、それ はコードの勧告と整合しない場合がある。(大規模会社 1 社)
ボードメンバーの報酬の透明性に対するプレッシャーが強い。(大規模会社)
海外投資家は、スーパーバイザリー・ボード・メンバーの適切な人員数および潜在 的利益相反に対する関心が高い。(大規模会社)
一部の株主と投資家は、報酬に関する多くの情報、特に個別情報を得たがる。(中 小規模会社)
〈質問項目 1-d: 実施(コンプライ)しない項目がある場合、その理由〉
12 社のうち、コードの勧告をひとつ以上実施していない会社は、7 社である。これらの 会社からの主な意見(理由)は以下の通り。
スーパーバイザリー・ボードの構成、独立性要件、女性メンバーの適切な比率
(5.4.1
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)(5 社)
・適切なボードメンバーを選任する上で、たとえば一定の女性比率、年齢制限等を 求めるコードはむしろ制約となるため。(4 社)
・複数の創業者がスーパーバイザリー・ボード・メンバーであり続けることを希望した ため。(中小規模会社 1 社)
スーパーバイザリー・ボード・メンバーの個別報酬開示(5.4.6)(3 社)
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ドイツの CG コード(2013年 5 月 13日版)の 5.4.1では、明示的なスーパーバイザリー・ボードの女性比率の記 載はなく、「適切な比率を定めるものとする」とされている。